皮肉愚痴祭り

えーと まぁとりあえず新政権発足おめでたうゴザイマス。(目出度いか?)
久々にちょっと真面目ちっくな話……というか、文句を書き連ねたい。マジに
皮肉だけで終わるうえに、政治話は個人の意見が大きく食い違う難しい話題
でもあると思うので、パスする方はササッと回避されたし。


「凡人 軍人 変人」だった前回に対して、今回の候補者たちは

「良い子 悪い子 普通の子」

と言われてたとか。結局は予想に違わず「普通の子」安部氏が勝った訳で。



別に政治家っつーのは聖職だなんて思っちゃいないし、政治家が聖人君子で
なければならない、なんてアホなことも思わん。真面目に、きちんと仕事さえ
してくれれば、「普通の子」で全く構わない。目を引く派手さも、馬鹿らしい
パフォーマンスも(誰かさんの様にね)なくて一向に構わない。構わない…が。


まともに活動する前に文句ばっかり言うのはきっとフェアじゃないんだろう。
でも一つだけ言わせて欲しい。頼むから。

頼むから、「美しい国」だけはやめてくれ!

あのフレーズを聞いて、皮肉を吐き散らしたくなるほど虫唾が走るってのは
ほんと、私だけなんですかね。(いや、そんなことないだろうけどさ)


もちろん、国民の心を掴むためのポーズとかパフォーマンスとか、リーダー
としてやっていくためには色々な事が必要とされるのは分かってる。アメリカの
政界トップなんか見てるとパフォーマンス性の物凄さを実感させられるし、それに
引き換え日本の政治表面は地味で面白味がなく、分かり易くもなく、人の心を
惹きつける要素も薄い。(小泉政権は珍しく派手だったと思うが、あれは例外)


その意味で阿部氏が、「美しい国」という一般には耳障りの良い謳い文句を
掲げる気持ちも何となく分からなくはない。


でもなぁ。美しい国ってなに?そりゃ、「汚い国」なんつーのは嫌やよ?w 
でもいったい何をもって「美しい」とか言うわけ?何故美しくないといけない?


だいたい、「美しい国」っていうのが具体的にどういう政策に繋がるのか全く
わからない。あまりにも抽象的すぎるし、象徴的すぎる。そして、そういう
類の、まるで新商品のコピーみたいに浮ついた文句は、何だか漠然と嫌な予感
や不安を抱かせる。


「強い」とか、「美しい」とか。


綺麗で心を惹かれやすい、表面的で分かり易い言葉が持つ魅力は、人の心を
簡単にとらえて、物事の本質から目を背けさせると思う。いや、「背けさせる」
というよりも、「本質を覆い隠してしまう」というか…。そして、そのまま本質に
気付かない人々を暴走させてしまう気がする。実際「テロに負けない強い国」
謳ったどこぞの超大国、世界の代表であるかの国は今、ボロボロとその化けの
皮がはがれていっている真っ最中じゃないか。


だから私は不安になる。

そういう言葉は、気持ち悪い。


数日前のことだけど、新聞の片隅のコラムに、こんなセリフがあった。

美しい国の醜い一角、永田町では…」

物凄い皮肉だと思った。こういう感覚を持つ人がいて、しかもそれをハッキリ
と示してくれて嬉しいなぁと、つい仲間意識のようなものを抱いてしまうw


閣僚も発表されて、どこかで見たアオリに「イケメン内閣」とあったのに失笑。
確かに政界の人間には、一見してアクの強そうな印象を受けることが多いし。
それを政界の普通と考えるなら、まぁ阿部氏は割と優しげで穏やかそうな雰囲気
なのかもしれない。


そう思ってふと気付いた。そうか、「政界」の中では、阿部氏もイケメンなのか。
政界を一歩出たら本当に「イケメン」内閣と言えるのか、たとえ疑わしくとも。


何を言いたいかっていうと、つまり「美とは相対的基準」だってことだ。
時代によって、文化によって、民族によって。何が美しいかなんて変わる。
美しさとはこういうもの、これが美だ、そういう絶対的な基準ではない。
具体的な基準でもない。似たような環境に属する個人間でさえ、食い違う基準。


さすが曖昧な「美しい国」を目指すだけあって、阿部氏本人も「美」という曖昧な
基準で揶揄されてる…そう思ったら、なんか本当に皮肉な話だ、と思った。


わざわざ私なんかが皮肉るまでもなく皮肉な話なんだなー、と笑ってしまった。


まぁ、まだまだ始まったばかり。どんなに不安な出発であっても、しっかり
やって欲しいと願うしかない。