4連休

どこかのお茶な人は10連休とか書いていらっさいましたが…。こちらは普通に今日からやっとのことでカレンダー通りの4連休。しかしやることは相変わらず山積みなので、それを消化している間に普通に終わりそうな悪寒。というより絶対そう。間違いなく(;´Д`)


先月半ばから本格的に苦しくなった風邪はいまだにスッキリ治りませんが何か…?まあ大分よくなりました。治りかけかなー、みたいな。朝起きてまずすることはうがい、でFAな状態に変わりはないんですがねw


そうそう、面白かったのは気軽に通える診療所に足を運んだときのこと。24日だったかなー。本格的にのども痛くなってきて、市販の風邪薬を服用しててもずーっと常に熱が7度3分くらいから下がらないということで、私は「スッパリ治してやるぜ!」なやる気マンマン状態で行った訳です。以下長いので折り畳みまっす。



受付を通ってしばらく(20分ほど)待ち、看護婦さんに呼ばれる。
「○○さ〜ん、どうぞ〜。中にお入り下さい」
ごそごそと移動。年配の穏やかそうな男性医師がにこやかに問診をスタート。
「どうされました?」
「えーと実は先週から喉に違和感があったんですけど…」
経緯と今の体調、服用している薬の話など詳細にお話しする。
「ま、とりあえず見てみましょうか」
ということで一通りのことをこなしたあと、カルテを持って「ふーむ」と唸る先生。ん?さて何を言われるんだ…。
「えーとねぇ、ん〜。喉が炎症を起こしてるんですけど、炎症自体は軽いものなんですねぇ。」
あ、そうなんだ。よかった。じゃあすぐ治るのかな。
「うーむ」
再び唸る先生。な、なんだ?なんか苦笑してるぞ。
「まあこういうものはねぇ、炎症ですからね、薬を飲んだからといってすぐ治る訳でもなくって…もちろん熱を抑えるとか、のどの腫れや痛みを少し抑えるということはできるんですよ?でもだからといって炎症自体が治るという訳ではない、と…。」
はぁ。…なんというか…。
「逆にですね、無理に薬で症状を抑えようとすると体に良くない部分もありましてねぇ…。今のあなたの体の状態というのは、良くなろうとして一生懸命頑張っているんだけれども、あと一歩のところで治しきるパワーが足りないというか、そういう状態のようで…」
ああ、それはアレだ。
「ああ、最近ちょっと忙しくてゆっくり寝る時間がなかなかとれないんですよ。だから睡眠不足ということも一因なのかなぁと思っていたんですけど…」
自己申告してみる。
「そうですねぇ。まあとりあえずやっぱり寝ることですねぇ…。それが一番大事です。忙しくてなかなか寝る時間が惜しい、というのはもちろんわかります、ですがまあそこを我慢して、ここはひとつきっちり睡眠をとって頂いて…」


えーとね。先生ずっと、
超にこやか。 途中ちょっと苦笑い。 でも超にこにこ顔。


「わかりました。それじゃあやっぱりまずきっちり寝ることにします。ちなみに市販の薬なんかは…」
どうも薬を処方することにもあまり積極的でないらしいと見た私はとりあえず市販の薬の服用についてつっこんでおくことにした。返事としては、まあ飲んでもかまいませんと。(そりゃ構わんわなw)ただし、なんだか「気休め」のような雰囲気w


まあそんなこんなで微妙に脱力しそうな平和でのどかな雰囲気のまま、その先生に最後に言われたこととと言えば。

「なんかねぇ…。忙しいのにせっかく来て頂いて、こんなことしか言えないというのは非常に申し訳ないんですけどねぇ…」


やっぱり先生、このときも超にこやか。ちょっと苦笑い入ってたがw

ていうか先生!こんな腰の低いお医者さんて初めてお会いしましたよw ていうか先生自体からマイナスイオン出てますよw 薬は貰ってないし実質問診してただけだけど、なんか微妙に脱力もしたけど、「早く治さないと!」とか思って肩に入ってた力が脱力したついでにガクッと抜け落ちたというか、先生に癒されたというか…ねぇ?w


で、ここからはちょっと個人的に思ったこと。


普段私たちが医者に行くときというのは、「医者の処置なり薬なりの力を借りて病気を(人為的に)治す」ことを期待しているわけだ。だけどそもそも、たとえば感染症の類とかウイルス性のものだとかは別として、ちょっとした風邪みたいな症状程度だと「体が弱っていて、それを本人に訴えている」のが最も基本的な性質なわけで。


「家庭の医学」系のTV番組なんかを見てても、大きな病気に至る前には必ず何段階もの小さなシグナルがあって、それを放置していると結果的に…というパターンだと分かる。つまり、その何段階もの小さなシグナルは「体にマズい事態が起こってますよ!ちょっとなんとかしてよ!」と訴えてる訳だ。でもその個々のシグナル自体がどういう性質のもので、どれくらい重大なものかは素人には判断できない


だから、本来私たちが医者に行くときの心構えとしては「体がどういう状態なのかわからないので判断(診断)してもらう」というのが最もふさわしく望ましいものなんじゃなかろうか。その症状というのが大きな手術を必要とする程度のものなのか、注射を必要とするものなのか、それともきちんとした薬の服用を必要とするものなのか、はたまた体の訴えに合わせてゆっくり滋養・休養をとってやるべき類のものなのか、その判断は医者がすることであって、私たちが医者にかかる前から勝手に望むものじゃあないんだろう。


今回の医師のあの腰の低さというか「申し訳ない」というセリフの裏には、私たち医者にかかる側の「早く治してしまいたい」という期待にそえなくて申し訳ない、という気持ちが隠れているような気がする。普通、「わざわざ医者にいって薬も処方してもらえないなんて!」と憤慨する人も結構いるんじゃなかろうか。


だけど逆から見れば、普通にゆっくり睡眠をとって栄養もとって、体が欲している自然な要求を満たしてやるだけで本来治るべきものに対して、わざわざ必要もない薬を処方して「人為的」に「金をかけ」て治せというのもおかしなことのはずだ。


病院が経営のために必要もない薬を処方しまくって利益を得ている、とかいう事態が明るみに出て問題になったのは結構最近のことだ。でも、もしかするとその裏には、私たちの「早く治したい」という要求とか期待とかが、「薬」という私たちにとって分かりやすい形での「治療」を医者にせまっていたという面もあるのかもしれない。


わざわざ病院にきたからにはちゃんと治したい、治すための治療をして欲しい、と私たちは思う。でもそのある意味勝手なこちらの都合が、「ああ、この薬を飲めば治るんだ」とか「注射してもらったからもう大丈夫なはずだ」とかいう「治るという実感」を私たちに与えるための方法を、医師たちに暗黙のうちに要求し、プレッシャーをかけていたのかもしれないと私は思う訳だ。


ちなみに私の場合、薬は処方してもらえなかったが、診療室を出た後でスルっと出てきた看護婦さんに「お代は結構です」と言われた。びっくり。それでもかれこれ10分程度はかかったのに…。一応診断してもらったのに…。と、逆にこっちの方が申し訳なくなってしまうというw 今回行ったのはちょっと特殊な診療所だったので、そのせいというのもあるかもしれないが。


そういう訳で未だにスッキリ治らない風邪…もとい喉の炎症ですが、先生を思い出しては癒されております。確かにへたな薬より効いてるかもしんないw