you-know-who

いきなり[英語]とかいうカテゴリを作ってみた。字幕で映画や海外ドラマ見てる
ときとか、洋楽聴いてる時とか…まぁでも何でもいいんだが、そういうときに

「へえ、こういう言い回しって英語ではこう表現するんや」

とか

「ああー、こういうシチュエーションの時ってこう言えばいいのな!」

とか

「え、この英語ってこんな風に翻訳してるー!」

とか思ったりすることがちょくちょくある。まぁみんなあると思うけど。
そんな「へえ!」とか「ああー!」とか「えぇ!」とかをメモして置くカテゴリ。


今回の話は、この前見たスーパーマン・リターンズ中のワンシーンから。



スーパーマンであることを隠しているクラーク・ケントが、同僚のジミーと共に
酒を飲みつつ、ヒロインについての話をしている。自分の知らぬ間にヒロインに
子供ができており、おまけにどうやら他の男性と同居しているらしいと聞いて
ショックを受けるクラーク。そのクラークに向かってジミーが意味深に言った
セリフがだいたい次のようなカンジ。


「彼女はまだ誰かさんを愛してる」


この 「誰かさん」 に当たる元のセリフの英語が "you-know-who"  だった、
という訳。もちろん「誰かさん」とは他でもないスーパーマン(クラーク)のことで。
思わず「上手い訳!!」と感心したというか納得しましたヨ。


ちなみに"you-know-who"を辞書でひくと、「(例の)あの人、あいつ」という
訳が載ってる。たぶん大体どの辞書でも。


そういえばハリー・ポッターシリーズでも頻繁に"you-know-who"って単語が
使われたなぁ。読んでる人なら分かると思うけど、ヴォルデモート卿のことを
「例のあの人」とか「名前を言ってはいけないあの人」と呼んでるでしょ。


あれって原書では"you-know-who"なんですよ。ヴォルデモート卿は名前を
口にすることさえ憚られるような恐ろしい人物だ、という設定をふまえて、和訳
では「名前を言ってはいけない」という部分が「あの人」の前についたんでしょね。


スーパーマンの上のシーンでは、「あの人」とか「あいつ」とか言うとアッサリ
した表現すぎて、「ほら、アイツだよあいつ、言わなくても当然分かるあの人」
っていう雰囲気が薄いような気がする。それに比べて「誰かさん」という言葉だと、
思わせぶりというか意味深というか、そういう雰囲気がよく出ていると思う。


こうやってみると、翻訳ってのはとっても面白いし興味深い。でも、いざ自分で
訳してみろと言われると、やっぱりかなり難しい…と、改めて思ったのデシタ。


(;´Д`)<翻訳者の方々、いつもご苦労様です。